• イミュニティの機能

ESDスキャン

  • 耐性(感受性)マップの生成(ガンテストエラーの再現)
  • 8kVまでのTLP(tr < 300ps)
  • 自動エラー検出

ESDシミュレータ(ESDガン)でDUTのテストポイントに印加・放電すると、電流がシャーシや内部のPCBに流れます。電流は、電磁界を放射しPCBの部品や配線に結合して回路に電圧や電流を誘導します。
誘導された電圧や電流は、回路に機能的な不具合や致命的な故障を引き起こす可能性があります。ただし、ガン試験だけでは、エラー箇所を特定することはできません。
ESDスキャンでは、DUTの筐体を外し、PCBをむき出しにした状態で磁界(または電界)プローブを用い、DUTの基板に直接アプローチします。
TLP(Transmission Line Pulse)からの電流をプローブに流し印加。
PCBの部品や配線とプローブがカップリングを誘発し、DUTの不具合を再現します。

ESDスキャンとは

  1. 磁界プローブや電界プローブを用いて、電圧や電流を誘導する電界をエミュレート
  2. 回路上のピンポイント領域での耐性レベルを特定
  3. 誘導された電圧または電流に対するDUTの応答を記録
    専用プローブを使って回路に直接電流を注入してDUTの応答をモニタリングすることも可能

SmartScan ESD スキャナのご紹介(動画 / 英語)」もご覧ください。

活用例

  • ESDによる不具合・障害のデバッグ(ガンテスト後のエラー箇所特定)
  • 同一機能、同一スペックの部品やモジュールの性能比較や品質検査
  • システムレベルESDに対応したコンポーネントとモジュールの認定

ESD障害のデバック

ESDスキャンは、IEC 61000-4-2の不具合をピンポイントで局所化し、デバッグするための強力なツールです。
ESD対策済みのモジュールの評価にもお使いいただけます。

同一機能、同一スペックの部品やモジュールの性能比較や品質検査

ESDスキャンは、機能的に同一スペックの部品について複数のサプライヤの部品を比較スキャンし、どのサプライヤの部品がESD障害を起こす可能性が最も低いかを検証するのに非常に有効です。

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システムレベルESDに対応したコンポーネントとモジュールの認定

問題の可能性のあるICやモジュールを、完成されたシステムとして組み立てる前に、スクリーニングしておくことが望ましいのは言うまでもありません。ESDスキャンをすることで、製品ごとにスキャン結果を蓄積したデータベースを構築し、それらを参照することで、ESDイミュニティに対する耐性レベルを決定するための有益な情報を得ることができます。

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2015年に承認された規格、ANSI/ESD SP14.5-2015 は、部品、モジュール、PCBに対して近傍界プローブを用いて静電放電を行い、不具合箇所を特定する近傍界イミュニティ試験に関する高品質なガイドラインを提供しています。この試験方法は、問題箇所の根本原因を特定するための非常に効果的な方法です。

使用機器

  • SmartScan-ESD(ソフトウエア)
  • TLP(Transmission Line Pulse)
  • ESDプローブ
  • 不具合検出装置(Failure Detector)

TLP(Transmission Line Pulse)

TLPは500psで立ち上がる矩形波のパルスを生成します。妨害ノイズ源(ESD)の発生機としてTLPを採用している根拠については、論文(英文・API社Webサイト)をご覧ください。

プローブ

ESDプローブは、電界、磁界を最大限放射するようAPIで設計され製造されています。磁界プローブ、電界プローブは様々なサイズのものがあります。以下の図は4種類のプローブのコンセプトを示しています。

ローデ・シュワルツ製品
ローデ・シュワルツ製品

不具合検出装置(Failure Detector)

スキャニングは不具合検出装置により、自動化できます。スキャニングが完了するまでスキャナの前を離れることができるため、ESDスキャンの効率が大幅に向上します。この装置は、アナログ、デジタルの入力が各4つ、フォトセンサからの出力と1KHzのマイク信号をモニタリングできる機能を備えています。更に、120 - 240V のACリレー、およびDUTの電源サイクルのためのNO/NC DCリレーを備えています。これらの電源モジュールはソフトウエアで制御されています。

製品によってエラーの定義(エラー出力方法)が大きく異るため、不具合検出のため、各DUTや試験ごとにカスタマイズが可能となっています。
詳細はお問い合わせください。

テストフロー

STEP
DUTを起動
STEP
テストポジションにプローブを移動
STEP
ESD印加(フィールド直接注入)
STEP
DUTの反応をモニタリング
STEP
不具合が検出された場合
  • DUTの電源を入れ直し
  • TLPの電圧を下げる(ユーザが設定した最低レベルの電圧まで下げる)
  • ESD再印加
  • 設定した最低電圧から徐々に電圧を上昇
    不具合出現したポイントで画面に電圧をプロット
STEP
次のテストポイントに移動

その他のイミュニティの機能

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